Led高天井照明明るさと通常水銀灯ルーメン比較

水銀灯といえば、小学校の体育館の天井でスイッチを入れてからなかなか明るくならずに、色が変化しながら明るくなっていくのが待ち遠しく思っていたものでした。

明るさが100%になると実に頼もしく、きらきらと輝く光は気分をハイにしてくれていたものです。正式には高輝度放電灯(HID)という種類の電球になりますが、少し色を区別しずらかったのは、演色性が低いという性質のためであり、それもまた水銀灯ならではの特徴でした。色温度と呼ばれる色の温度感は高めで青白っぽい色です。水銀の蒸気とアルゴンガスを混合して加圧し電極に高電圧を印加すると水銀とアルゴンが放電してプラズマになることで光を発するという原理を利用しています。この方法によりフィラメントを使った白熱電灯よりも高効率で明るい長寿命の照明が実現できていたのです。水銀灯と同じ種類で素人目には区別しにくいメタルハライドランプ、高圧ナトリウムランプなどの放電を利用した電球があります。そんな放電球の中でも一番有名なのが体育館でもおなじみだった水銀灯と言っていいのでしょう。しかし、この昭和から慣れ親しんだ水銀灯も効率のよいHIDランプに置き換えられてきた後に、さらに今ではでLEDライトに変わってきています。いったいLEDライトとは何者なのか?あんなに明るく照らしていた水銀灯の代役としてつとまるのか?その辺を探りながらLEDライトとの比較をしてみましょう。

まずは電気工事の面ではどうでしょうか。LEDライトに置き換わるために、電圧が共通であれば電源配線の変更などなく工事が相当簡略化できます。LED自体は元来、電子素子なので使用電圧は最終的には5Vでありトランスなどの重たい部品は不要で、小さな電源回路で色んな電圧に対応できます。水銀灯の電圧は100Vと200Vの場合がありますが、その場合でも電圧フリー100V200V使用可のLEDライトを使用することで既存の配線をそのまま使えます。水銀ランプで必要だった安定器は不要になるので手間を掛けずにLEDライトへ変更する事が可能です。近頃の中国製品はだいたい日本のAC100Vに対応できるようになっているので、もしスペックに100Vと書かれていなくても問い合わせてみれば対応可能なことが多いです。そういう意味ではLEDライトは幅広い対応力を持っています。

では性能の面ではどうなのでしょうか。LEDと電球の明るさをワット数で表す場合に今まで慣れ親しんできた電球との対比が一番わかりやすいので、LEDの表示にも電球何ワット相当と書かれています。細かい効率計算はありますが、ざっと見てLEDは10倍明るいと思えば忘れにくくわかりやすく覚えられます。電球でよく使われていた60ワット電球はLEDでは6ワットくらいでそれに近い明るさがあるということになります。正確にいえば若干落ちるので7〜8ワット程度ですが。概略を把握するためには10分の1のパワーと考えればわかりやすいですね。電気代もそれ相当に安くなります。

電球の明るさを表す単位としてルーメン(lm)という単位があります。このルーメンは、器具が発している光の量を表しています。電球一個から放射される光の量であり数字が大きいほど光量が豊富であることを表します。

しかしながら、これだけでは明るさは判断できません。設置する場所、灯具までの距離などによって、感じる明るさ、光の強さは変わってくるからです。水銀灯から発する光は360度の範囲で四方八方に発せられるのに対して、LEDライトの場合は狭い範囲で照射されます。基本的にLED素子から発する光は平行光線ですが器具によって発する角度が設定されていて40度ならば360度の9分の一、120度ならば3分の一の範囲に照射され、それだけ明るく照らすことができます。水銀灯と比較する場合、水銀灯の笠の効果を考慮して、LEDライトのルーメン値は水銀灯の値に対して40度ならば7分の1、120度ならば2分の1程度のルーメン値で同等の明るさが得られることになります。では、大まかに現在のLED照明のルーメン値はどの程度かといいますと、ワット数の140倍程度のルーメン値となっているようです。この値と照射角度を加味すれば、水銀灯に代替えできるLEDライトを選定することができます。

例えば、LED水銀灯100Wの場合は、実質のパワーは1000Wの水銀灯に相当し、ルーメン値は14000ルーメン程度になります。また照射角度によって照度(ルクス)が異なり照射角度が120度の場合は、強さが約2倍になるので28000ルーメン程度の水銀灯に相当します。ただし照らしたい場所の照射範囲が角度によって制限されるので網羅されていることを確認しておくことが必要です。

LED投光器200Wの場合は、2000W相当の投光器に相当しており、ルーメン値は30,000ルーメン近くになります。しかも照射範囲が狭いので直視できない明るさになるので注意が必要です。照射角度と距離との関係で照射範囲を設定できます。例えば照射角度の40度の投光器を選定すれば水銀灯と比較するならば、20万ルーメン程度の水銀灯に相当する明るさになります。これはレンズや笠を使用しなくてもフラットパネルで平行照射できるLEDのなせる業であり、大型の投光器に相当します。

LED水銀灯50Wの場合は、500W程度の水銀灯に相当するものなので、低消費電力で明るく長寿命の照明が実現できます。7000ルーメン程度の光束、照射範囲によっては15000ルーメン程度の明るさを持つ水銀灯に相当する照度(ルクス)を持ちます。LED高天井照明50Wを選定する場合は特に照射角度の検討が重要になります。天井が高いほど電灯から床までの距離が長くなり、照射面積が広くなり照度が落ちて暗くなります。天井が高いほど照射角度の狭い電灯を選択すれば、明るさをキープできます。その分照射範囲が狭くなるので電灯の数が床の広さと天井の高さ、電灯の数を調整することで適切な照度を設定することができます。

もう一つのパラメータとして色温度というものがあります。これは2000K(ケルビン)に近いものは橙色の暖かい光で5000K程度では青白い冷たい感じの光になります。LEDの場合は~6000K程度の青白い光のタイプが主となっているようです。色温度の確認も必要です。